西鉄電車の回数券が7月末をもって廃止 コロナ禍での利用減少受け「聖域なき構造改革」

西日本鉄道(西鉄)は2021年7月31日(土)をもって、西鉄電車における回数乗車券の発売を終了します。

西鉄福岡(天神)駅の入口階段(masa04/写真AC)
西鉄福岡(天神)駅の入口階段(masa04/写真AC)

発売が終了されるのは、いずれも11枚つづり、有効期間3か月の「普通回数乗車券」「通学用割引回数乗車券」です。障がい者割引の普通回数乗車券は引き続き発売されます。なお、発売終了日の7月31日(土)までに購入した回数乗車券は、有効期間満了まで使用することができます。

西鉄は、新型コロナウイルス感染症の影響により利用客が減少している中、2018年度に策定した「第15次中期経営計画」を2022年度まで1年間延長し、内容を修正しました。この中では、ウィズコロナ・ポストコロナ社会での存続と成長を見据え、既存事業の「聖域なき構造改革」がうたわれています。鉄道事業においては、従来の需要は戻らない前提で事業モデルを変革する必要があるとしています。今後も持続的な公共交通サービスを提供していくための具体的な変革内容として、運賃およびICポイント施策の見直しや、終電繰り上げを含む利用状況に応じた減便などが挙げられています。

この方針に沿うかたちで、3月13日には終電繰り上げや昼間時間帯の減便を含むダイヤ改正を実施したほか、西鉄電車・バスなどでの「nimoca乗車ポイントサービス」を終了するなど、従来型サービスの見直しが進んでいます。一方で中期経営計画の修正版には、オフピークポイントサービスなどの導入について検討を行うと記載されています。